商用DBからOSS-DBへ
スキルの橋渡しとなりたい
商用DBからOSS-DBへ
スキルの橋渡しとなりたい
NECラーニングにてデータベース系研修の講師を務める黒木氏。Oracle Master Platinumも保有するなど、深いデータベーススキルと経験をお持ちです。2012年からOSS-DBのトレーニングも担当しています。
NECラーニングはIT技術に関した研修の企画や実施、人材開発のコンサルティング、eラーニングコンテンツの開発や提供も行っています。これまでもリクエストに応じてオープンソース系データベース(PostgreSQL、MySQLともに)の研修コースを実施していましたが、2012年からLPI-Japan OSS-DB アカデミック認定校として「OSS-DBの導入と構築」、「OSS-DBの運用」の2つのトレーニングを提供しています。
当初はシステムエンジニアとして流通系システム構築に携わっていました。後に技術営業などを経て、1997年から今の教育事業に携わっています。普段は商用系データベース講座を中心に研修講師として登壇しています。研修のない日は研修コースの企画や開発などを行っています。今週は5日間ずっと講師でした。2012年から弊社が提供するOSS-DBのトレーニングでは講師を担当します。
カリキュラム開発では徹底的に対象製品を調査しなくてはなりません。お客様の問題解決に繋がるようなサービス提供を目指しての、準備や技術習得が大変ですね。
でもエンジニアもまた大変だと思います。エンジニアはプロジェクトやチームで動くので自分ではどうにもならない要素が多くありますが、講師ですと自分で努力して得た知識は自分に返ってきます。そういう意味では現在の講師という業務にとても魅力を感じています。
最初にエンジニアとして触れたデータベースはOracle 7でした。担当は基幹系システムのインフラ全般でしたので、データベースはそのうちの1要素。データベースはシステムには必須ですし、正常に稼働して「当たり前」とみなされがちです。データベースを担当するエンジニアは「縁の下の力持ち」のような感覚ですね。
近年高まっています。特に新人研修でオープンソース系データベースのコースも含めるようにとリクエストされることがあります。LinuxでPostgreSQL、WindowsでMySQLなど、環境は企業により分かれますが、若干PostgreSQLのほうが多いようですね。
オープンソースですと商用系よりもハードウェア構成の敷居が高くないので、新人や学生が自習するのにも手軽でいいですね。昔は技術情報やノウハウは「奥座敷にある」かのようで、情報を収集するのは一苦労でした。オープンソース系技術はとてもオープンでいいですね。今の若いエンジニアたちがちょっとうらやましいです(笑)。
直接的なきっかけは弊社にてOSS-DB対応コースを立ち上げることになったからです。講師となるには認定が必要でした。これ以外にも「自分の知識を試してみたい」という気持ちがありました。講師として受講者のみなさんに信頼され、安心してもらうためにもスキルを証明するものがあるといいと思ったので受験しました。
OSS-DB Silver合格が2011年11月、同Gold合格が2012年1月でした。Gold受験前の準備はおよそ2週間くらいだったかと思いますが、業務もあるので集中して勉強したのは1週間程度だったかと思います。
商用製品の使用経験もあったので、差分となる機能やコマンドなどの知識を整理するのが中心でした。PostgreSQLのマニュアル、コミュニティサイトも参考にしました。Goldでは実機中心に機能やコマンドを確認しました。
実を言うと、Gold合格後に他社の研修を受講しました。これは試験対策ではなくコースの実施に向けての研究のため。すでに試験は合格して精神的に余裕もあり、よく理解できました。あいまいだったところがクリアになり、理解がより進みました。やはりより深い知識を修得するには研修が欠かせないことも痛感しました。
お客様から信頼してもらえることですね。同僚からは「1回目の受験で合格したなんてすごいね!」と言われました。ただ自分では満点合格を目指していたのですが、そこは逃してしまいました。ちょっと残念でした。
今やOSS-DBはWebサイトだけではなく、ITシステム、クラウド、ソーシャルなど幅広い分野のバックボーンに使われるようになりました。それだけ有用であると認識が広まっているのでしょう。同時にスキルを習得する重要性も高まってきています。弊社でもOSS-DBを使うコースのリクエストが増え、取り扱う機会が増えてきました。OSS-DBへの期待の表れだと思います。
2月にはOSS-DBの無料セミナーを開催したのですが、あっという間に満員御礼でした。OSS-DBのトレーニングは2月下旬から正式スタートで、今のところ申し込みは好調です。
ほかにもクラウドやオープンソース関連技術はニーズが高いです。クラウド、Hadoopの講座も提供するようになりました。こちらも好評です。
商用DBだと単独であらゆる業務が完結するように機能が充実しているのですが、オープンソースだと潔いくらいに機能を割り切っていますね。洗練されていてシンプルです。昔の商用DBもそうだったのかもしれません。現状のOSS-DBはシンプルで、ユーザーが機能を拡張したり、ツールを組み合わせて使うなどします。そうすると幅広い知識や情報収集が必要になってくると思います。
いわゆる「ペーパードライバー」にならないように。合格をゴールにしてほしくないです。試験は自分の知識を整理するためのツールと考えるといいです。また受験勉強は本よりも実機確認に重点をおくと、知識がしっかりと身につきます。どうぞ頑張ってください。
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