新人でOSS-DB Gold合格
将来はスペシャリストとなり
PostgreSQLを普及させたい
新人でOSS-DB Gold合格
将来はスペシャリストとなり
PostgreSQLを普及させたい
王:私は大学までは故郷である中国で勉強していて、2005年にインターンシップ生として神戸デジタル・ラボに来ました。その後2年間インターンとして働く中、実務経験もなく、日本語もうまく話せなかった私をKDLの皆さんがバックアップしてくださいました。会社が居住から日本語学校の手配までしてくださり、公私にわたって日本での生活と仕事を支えてくれました。そうしていく中で、私はこの会社で皆さんと続けて働きたいと強く思うようになって進路を決め、2008年から正社員として働くことになりました。
私は2013年の5月末にOSS-DB Silverの認定を取ったのですが、その背景には、産休(出産)→育休→職場復帰がありました。休暇期間はトータルで1年ほどになりました。
職場に復帰したときは、やはりブランクがあり悩みました。周りの方ががんばっている姿を見たときに「私もがんばらなきゃいけない」と思ったのですが、どう頑張ればよいのか、すぐに思いつきませんでした。そんな時、会社の人事制度である、毎月の教育面談の場で、色々と相談にのってもらいました。結果、将来像を思い描きながらどのように進んでいくかを決めることができました。
そこで、まずは、仕事にも活かせ、自分の勉強にもなる資格を取得しようと決意しました。業務でデータベースの知識が必要だと感じていましたので、それに最も適した資格であるOSS-DB技術者認定試験にチャレンジしよう!と思ったのが受験のきっかけです。
-合格までの勉強期間はどれくらい取りましたか?
王:思い立ってから合格まで1ヶ月でした。勉強で大変だったのは、SQLを扱う経験はありましたが、基本知識がどうしても少なく、設計などに関しての知識を学ぶことが大変でした。大学でも学んだことのある内容だったのですが、実際に使う経験がなかったのでだいぶ忘れてしまっていました。でもこの試験がきっかけで昔学んだことも思い出すことができました。
勉強にはインプレス社の「OSS-DB問題集」などを使いましたが、日本で受ける試験は日本語の教材しかないので、そこも苦労したところです。他にもLPI-JapanのWEBサイトに掲載されている、サンプル問題やメルマガの「OSS-DB通信」に掲載されている、例題解説を活用しました。私の苦手なところは正規表現のところなんですが、そこは特に力を入れて勉強しました。とにかく苦手なところを繰り返してやることで覚えました。
-合格後、仕事などでの変化はありましたか?
王:資格を取得してみて、自分自身が仕事に対して今までよりも積極的に向き合えるようになりました。今の案件でもデータベースの定義などを担当しています。苦手を克服して合格したということで自分の仕事に対して自信がつきました。
ほかにも基本情報処理と応用情報処理、Ruby技術者認定、Zend PHP 5.3認定を取得していますが、次の資格取得目標は、HTML5プロフェッショナル認定を取りたいと思っています。
実際に今の仕事でもHTML5を使っていますので、今後のためにもぜひ挑戦したいと思い、仕事をしながら勉強しています。
OSS-DB技術者認定試験を受けたときも子育てと仕事、受験で大変でしたが、とても充実していました。新しいことを学びながら資格という形でその勉強の成果を手にできるということは、とてもやりがいがあります。そうなると忙しくても仕事が楽しく感じますね。
私が今担当している業務はDB定義の管理部分の変更や実装をおこなっています。システムとしてはアパレル系のECサイトで、そこでの実装や、仕様変更のときにテーブルの定義をとりまとめて開発メンバーに連絡したりしています。顧客管理、商品管理、注文管理となどをPostgreSQLで行っています。
稲村:PostgreSQLの導入はお客様側の希望や弊社からの提案など両方のパターンがあります。もちろんお客様から指定されたときは指定されたものを使っています。特に指定がなければこちら側で構成を提示しています。大規模なサイトから小規模なサイトまで継続して使っていますね。Web系のDBが必要なサイトではケースバイケースでPostgreSQLやMySQLで使い分けています。
会社としてはどれを何用と定めて使ってはいません。お客様のご要望にあわせることが第一ですので自分たちでこれを使う、と提示するのは少ないですね。
仕事方法の選択肢を一つに絞ってしまうと他に対応できなくなりますのでDBにしろ、開発の言語にしろ、新しいものを追いかけるような形で取り組んでいます。PostgreSQLを導入しているのもそういった観点からです。
王:私も実際に、PostgreSQLもMySQLも使います。いろいろなデータベースを使えることは技術者としてメリットですよね。両方使ってみて、MySQLだと独自の関数が多いので全部覚えなくてはなりませんし、運用面でもPostgreSQLのほうが扱いやすいと個人的には思います。
稲村:王さんもOSS-DB Silverを取得してから積極的にDBを担当したいと言ってくれて、今の案件でも任せています。そこは周りの人もそれを感じ取って任せていますね。うちの部門では30名ほどがデータベースを任されていますが、王さんはその中の主力メンバーの一人です。
ちなみに、弊社の社員約140名のうち、エンジニアが8割前後を占めます。女性のエンジニアはそのうちのさらに三割ほどですから30名前後はいます。男女比で三対一くらいですから女性エンジニアが多いというのはうちの特色かもしれません。王さんの様な向上心の高い女性エンジニアがこれからもっと増えると嬉しいですね。
竹内:エンジニアが自己啓発として会社の事業に関係する資格を取得することを会社として奨励しています。資格奨励金等支給制度というのがあり、会社が奨励する資格に合格すると奨励金や受験料を支給しています。OSS-DB技術者認定とLPICも奨励資格に入っていますね。
王:HTML5プロフェッショナル認定も入れてください(笑)
竹内:資格はどんどん増えていますからね(笑)実際、資格をリスト化していますがメンテが大変です。実務で活かせる資格を優先していて、社員の有志が奨励資格を選定しています。まず現場からの意見を取り入れて、その上で弊社の事業に見合うものを選んでいます。
資格によって受験料だけを支給するもの、受験料と奨励金を支給するものがあります。受験料は合格時には支給します。OSS-DB技術者認定は前者ですが、LPICだとレベルに応じて奨励金を出しています。奨励金は一般的な難易度、業務に対する重要度、また資格によってはその資格が業務において必要不可欠なものもありますから、それらの要素によって決めています。
-社員採用時に資格を持っていると評価につながりますか?
竹内:資格が絶対的評価ではありません。ただし、この業界を志しているという一定の基準にはなりますし、志望動機に説得力が増しますのでそこは評価します。
学生だとITパスポートや基本情報処理を持っている人が多いですね。やはり上位のレベルの資格を持っていると評価や印象は高いです。学生がLPICを取得しているというのを私はあまり聞きませんが、持っていると「おーっ」と思いますね。かなり将来的な方向性も突き詰めて考えているのだな、と思います。
また、弊社の教育方針として新入社員に限らず、テクニカル一本ではなくてヒューマンスキルを身につけて、技術と同時に人物面も成熟していくことを重要視しています。
技術者がテクニカルを伸ばすのはもちろん重要ですが、基盤となる人間性も大事です。仕事でお客様の前に出ることもありますから、そこは重視しています。
一概にはいえませんが、プログラマーは社内で業務に従事することが多く、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーはお客様と接する機会が増えてきます。プロジェクトにより異なるところはありますが。
王:技術を伸ばすという面では、社内で勉強会もよく開かれています。私は今までインフラ系の経験があまりないので、まずLPICの勉強をしてみようと思っているところです。
この間はインフラとセキュリティの勉強会にも参加しました。インフラ系のセキュリティに攻撃するやり方などを教えてくれたのですが、知識が少なくあまりわかりませんでした。せっかくの勉強会なのにもったいないと思いますし、それはそのままにしておくのではなくて克服したいです。
竹内:王さんは本当に向上心が強いですね。後輩たちのいい見本にもなってくれています。
王さんのように資格を生かして活躍できるよう、今後も社員の能力開発をサポートしていきたいです。
王:私が仕事の中で楽しいこと、やりがいだと感じているのは、資格を取得してデータベースの知識を持ったら、その知識を実際に活かすことができることです。そうやって手ごたえを感じると、次を目指してどんどん深く勉強してみたいと思えます。
仕事は忙しい案件ほど楽しいです。忙しいほうが学ばなければならないことがはっきり分かって、やりがいがあります。IT業界は一つ勉強しても、新しいことがすぐにどんどんでてきますから、勉強しないとあっという間においていかれてしまいます。
そうやって勉強しつづけるためにはやっぱりモチベーションと根性が重要ですね。どんな困難なことがあってもあきらめないで目標に向かう力が必要です。資格のための勉強は大変ですが、その資格を持ってなにを目指すのかがはっきりすれば続けられると思います。
私にとってのモチベーションはもっと新しいことを知りたいという探究心です。これからも後輩たちに負けないように新しいことに挑戦しながらがんばっていきたいです。
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