AIやIoTでも使われるデータベースには
なくてはならない「PostgreSQL」
その技術力を証明するOSS-DB Goldのポテンシャルとは

はじめに
オープンソースデータベース技術者認定試験(OSS-DB Exam)は、エンタープライズ・システムでも多く活用されているオープンソースのデータベースソフトウェア「PostgreSQL」を基準の「RDBMS」として採用した技術者認定試験です。
OSS-DB技術者認定試験に合格することで得られる認定には、PostgreSQLを使ったデータべースの運用管理ができる技術力を証明する「OSS-DB Silver」と、その上位認定でパフォーマンスの改善やトラブルシューティングなどができる技術力を証明する「OSS-DB Gold」の2つのレベルがあります。

今回は、PostgreSQLの専門家を多く擁する企業としてご紹介した(*)中から、OSS-DB Gold認定取得者数上位3社の方々をお招きして、データベースエンジニアの育成およびスキルアップのための認定としてのOSS-DB Gold/Silverのポテンシャルと、各社でのOSS-DB認定保有者の活躍の様子についてお話を伺いました。
*OSS-DB認定者数上位企業(*1)のご紹介

聞き手 : 富永恭子(株式会社ロビンソン)

データベースはかつてなく重要性が増しており、今後も需要は増す一方の将来性ある分野

綱川 貴之 氏
富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 データマネジメント事業部
シニア・プロフェッショナル・エンジニア
オラクルマスタ・プラチナ9i、LinuCレベル2 保有
富士通のPostgreSQLベースのデータベース製品「FUJITSU Software Enterprise Postgres」の開発、およびPostgreSQLのオープンソース・コミュニティでの開発を含めた活動を行うチームを率いている。

富永 : まずは綱川さん、現在においてデータベースが果たす役割と重要性についてお聞かせいただけますでしょうか。

綱川氏
現在、データベースはかつてなく重要性が増しており、今後も需要は増す一方だと思います。いまやデータを扱わないプロジェクトは考えられませんし、システムそのものもこれまでの企業の中の記録を司るシステムに加えて、世の中のより多くの人と繋がるためのシステムも増えてきており、データベースの用途がどんどん広がってきているのを感じます。
米国の調査会社であるガートナー社は、調査報告「エンタープライズ・インフラストラクチャー予測」※1で、エンタープライズインフラストラクチャソフトウェアのエンドユーザー支出は、年平均成長率 10.8%で成長を続け、2023年には$411Bに達するとしており、高成長市場は高い順にデータベース管理システム(同、16.4%)、AIM(10.8%)、IT運用管理ツール(10.6%)、アプリケーション開発(10.2%)、セキュリティソフトウェア(10.1%)と予測しました。
これを見ても、世界市場でのデータベースの需要が高いことが分かります。

※1 出典: Gartner, "Forecast: Enterprise Infrastructure Software, Worldwide, 2017-2023, 3Q19 Update", Published 18 September 2019
https://www.gartner.com/en/documents/3964480/forecast-enterprise-infrastructure-software-worldwide-20

 

富永 : それはすごい!データベースが非常に将来性のある分野だということがよく分かりますね。稲葉さんはどう感じていらっしゃいますか?

稲葉氏
オープンソースのデータベースソフトウェアのひとつであるPostgreSQLは、当社が創業時から提供するPostgreSQL関連サービスのベースとなるソフトウェアです。当社日本支社長の石井達夫が世界で29人いるPostgreSQLのコミッタの一人ということもあり、会社設立当初の中核事業がPostgreSQLでした。基本的には綱川さんがおっしゃっていたことに同意で、私もデータを扱うシステムはなくならないし、むしろ今後増えていく一方だと思います。今注目のAIやIoTもそのシステムではやはりデータベースを使っていたりします。その中で、データベースを正しい知識を持って正しく使える技術力は将来性のある特別なスキルだと思っています。

稲葉 香理 氏
SRA OSS,Inc. 日本支社 OSS事業本部 本部長
オープンソース・ソフトウェア(OSS)を利用するユーザー、 OSSを使った製品・サービス販売、システム構築を行う企業向けのサービスを提供する専門家集団。日本支社長の石井 達夫はPostgreSQLのコミッタでもある。

富永 : 田坂さん、ソフトウェア開発の現場でもやはりデータベースの重要性を実感しますか?

田坂氏
私が部長を務めているシステム第一部では、旅客・道路・海上・航空分野における大容量かつリアルタイム性が高い交通システム、官公庁の機密性の高いシステムなど、社会インフラに深く関わり高度な信頼性と安全性が求められる分野のシステムを開発していますが、それらのシステムの中でも必ずデータベースは使われています。
かつてのデータベースにはOracleやSQL Serverなど商用ソフトウェアの採用が多かったのですが、10年くらい前から少しずつOSSのPostgreSQLの機能が充実してきたことと、スキルの高い技術者によって基幹システムでも対応できるようになったことで、近年はPostgreSQLに切り替えるお客さまが増え、最近では官公庁や大企業の基幹システムでも使われるようになってきています。また、最近はOSSを使うということがシステム構築の要件になることも増えました。その理由のひとつには、商用ソフトウェアに比べてOSSの場合、運用コストを低減できることがあります。

オープンソースらしい多様性と透明性、改善の継続性がPostgreSQLの魅力

富永 : OSS-DBの認定基準として採用されているPostgreSQLのメリットとは何なのでしょうか?

綱川氏
PostgreSQLの魅力は大きく2つあると思います。
1つ目は「多様性」です。PostgreSQLの開発コミュニティには、互いに利害関係を持たない個人や組織の人たちが参加して新たな機能を開発しています。さまざまな人たちと企業が参加するので、一社の戦略や特定のお客さまの都合に左右されずに良いものを追求できるだけでなく、商用ソフトウェアでは優先されないような細かな使い勝手の改善なども積極的に行われています。そうした多様性を育んでいることがPostgreSQLの大きな魅力になっています。
そして、2つ目の魅力は「人気」です。英語圏では最大級の技術系Q&Aサイト「Stack Overflow(スタック・オーバーフロー)」の2019年の調査結果「Developer Survey Results 2019」※2によれば、PostgreSQLは「よく使われるデータベースランキング」でMySQLに次いで2位、また「開発者に愛されているデータベースランキング」でもRedisに次いで2位でした。PostgreSQLだけでなく、オープンソースデータベースは回答者の間で人気であり続けています。
このようにPostgreSQLは、主にアプリケーションの開発者の間で人気が高まっているデータベースであり、だからこそ、AmazonやMicrosoft、GoogleなどのメジャーなクラウドベンダーたちもPostgreSQLを使ったデータベースのサービスを提供して、優良顧客たちを呼び寄せているのです。

※2「Developer Survey Results 2019」
  https://insights.stackoverflow.com/survey/2019
 「Stack Overflow Developer Survey 2019のサマリー」
  https://www.infoq.com/jp/news/2019/05/stack-overflow-survey-2019/

 

富永 : スタック・オーバーフローの調査ではPostgreSQLだけでなく、上位をオープンソースのデータベースが独占しているのに驚きました。PostgreSQLの人気は、オープンソースとして成熟したことを意味しているのでしょうか?

稲葉氏
そうですね。私が入社したのは、Linuxが日本で初めてイベントを開催したころで、オープンソースそのものに対する認知がまだ低かった時代でした。当然、PostgreSQLなど使っている人も知っている人もほとんどいなかったので、その頃から比べるとまず多くの人が知ってくださるようになったことに対して驚きと同時に嬉しい気持ちがあります。
最初の頃のPostgreSQLは、「タダで使えるもの」である反面、「機能面の充実」「安全性」などの点で満足いくものではありませんでした。しかし現在のPostgreSQLは、機能面、安全性も充実し、さまざまなデータベースとして安心して使え、お客さま自らがPostgreSQLを選ぶほどに成長しています。
また純粋なオープンソースらしいオープンソースであるということも利用が広がった理由のひとつではないでしょうか。
特定の企業が作って提供しているオープンソースとは異なり、綱川さんが「多様性」と表現したように一社の思惑で開発されていない点でPostgreSQLには「透明性」があります。そのため大手企業でもPostgreSQLは採用しやすいということもあるのだと思います。

田坂 竜一 氏
株式会社OKIソフトウェア
情報ソリューション第二グループ システム第一部 部長
情報処理・プロジェクトマネージャ システム監査技術者 データベーススペシャリスト。
金融・保険、旅客・交通、官公庁・自治体、流通、製造、通信など社会インフラに深く関わる分野で、OKIグループの情報通信システムのソフトウェア開発を担っている。

田坂氏
ソフトウェアを開発する立場でいえば、PostgreSQLの魅力は大きく4つあります。まず、機能が充実していること。コストがかからないこと。ベンダーにロックインされないこと。そして常に改善されていることです。
商用のデータベースソフトを使っていたらそのライセンス体系の変更などによってそれにあわせたシステム変更が必要になる可能性があり、今後のシステム開発や保守運用の計画を変えなくてはならなくなるかもしれません。しかしオープンソースならベンダーにロックインされることなく、自分たちの計画で自由にシステムを開発し保守運用することができます。
そして4つ目にあげた「常に改善されている」ことがもっとも重要です。PostgreSQLの機能は常にバージョンアップされ、不具合があった場合も多くの人に関わる大きな問題であれば速やかにパッチが提供されます。そういう点がオープンソースの使いやすい理由だと思います。

富永 : なるほど、オープンソースらしい多様性と透明性、改善の継続性がPostgreSQLの魅力だということがよくわかりました。

企業の基幹システムや業務システムでの
PostgreSQLの採用がますます拡大している中、
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