「開発/SQL - SQLコマンド(シーケンス)」からの出題です。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2022年3月16日
シーケンスはID列のような一意性を保証する必要のある列の値の生成で使われることが多いです。例えばINSERT文で列の値として nextval ('testseq')を指定すると、それまで使用されたシーケンスtestseqの値に1を加えたものが入ります。
シーケンスを操作する関数には、次の値を取得するnextvalの他に、直近の値を取得するcurrvalと、現在の値を変更するsetvalがあります。
currvalは current value(現在の値)を意味するので、最新の値のように誤解されがちですが、利用中のセッションで最後に実行したnextvalが返した値(つまり、直近の値)であって、他のセッションでnextvalを実行されていても影響を受けないこと、現在のセッションで一度もnextvalを実行することなくcurrvalを実行するとエラーになることに注意が必要です。
では、順に選択肢を見ていきましょう。
最初にユーザAがnextval('testseq')を実行しているので、選択肢Aのcurrval('testseq')は直前のnextvalと同じ値、つまり1が返ります。
選択肢BのユーザBはnextvalを実行することなくcurrvalを実行していますが、これは上で説明したとおり、エラーになります。
選択肢CのユーザCがnextval('testseq')を実行すると2が返りますが、ユーザAのcurrvalはこれに影響を受けず、ユーザAが最後に実行したnextvalと同じ値、つまり1が返ります。
選択肢DのユーザDはユーザCと同時にnextval('testseq')を実行したことになっていますが、データベースの内部では完全に同時に実行されることはなく、順次、実行され、一方は2、他方は3が返ります。選択肢にある通りユーザDには3が返ったとして、ユーザCには2が返っていますから、その後のcurrvalも2が返ります。
選択肢Eのsetvalはシーケンスの現在値を変更し、その次のnextvalはその値に更に1を加えます。従ってnextvalは11を返します。
従って正解はA、D、Eです。
今回の解説について、理解できないポイントがあればどんどん質問をお寄せ下さい。
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