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受験対策

Silverの例題解説
「S3.1 SQL コマンド(シーケンス)」

「S3 開発/SQL - S3.1 SQL コマンド(シーケンス)」からの出題です。

例題

3.137

あるユーザAが以下のSQLを実行した。

create sequence testseq;
select nextval('testseq');

このSELECT文は1を返した。以後の操作とその結果について、適切なものを3つ選びなさい。なお、このシーケンスへのアクセス権限は問題なく、また各選択肢に書かれている以外の操作はされていないものとする。

  1. 同じユーザAが引き続き select currval('testseq'); を実行したら1が返る。
  2. 別のユーザBがデータベースに接続し select currval('testseq'); を実行したら1が返る。
  3. 別のユーザCがデータベースに接続し、select nextval('testseq'); を実行したら2が返った。この直後にユーザAが select currval('testseq'); を実行したら2が返る。
  4. 別のユーザDがデータベースに接続し、選択肢CのユーザCと全く同じタイミングでselect nextval('testseq'); を実行したら3が返った。この直後にユーザCがselect currval('testseq'); を実行したら2が返る。
  5. 別のユーザEがデータベースに接続し、select setval('testseq', 10); select nextval('testseq'); を順次実行した。2つ目のSELECT文のnextvalは11を返す。

※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2022年3月16日

解答と解説

シーケンスはID列のような一意性を保証する必要のある列の値の生成で使われることが多いです。例えばINSERT文で列の値として nextval ('testseq')を指定すると、それまで使用されたシーケンスtestseqの値に1を加えたものが入ります。
シーケンスを操作する関数には、次の値を取得するnextvalの他に、直近の値を取得するcurrvalと、現在の値を変更するsetvalがあります。
currvalは current value(現在の値)を意味するので、最新の値のように誤解されがちですが、利用中のセッションで最後に実行したnextvalが返した値(つまり、直近の値)であって、他のセッションでnextvalを実行されていても影響を受けないこと、現在のセッションで一度もnextvalを実行することなくcurrvalを実行するとエラーになることに注意が必要です。

では、順に選択肢を見ていきましょう。
最初にユーザAがnextval('testseq')を実行しているので、選択肢Aのcurrval('testseq')は直前のnextvalと同じ値、つまり1が返ります。
選択肢BのユーザBはnextvalを実行することなくcurrvalを実行していますが、これは上で説明したとおり、エラーになります。
選択肢CのユーザCがnextval('testseq')を実行すると2が返りますが、ユーザAのcurrvalはこれに影響を受けず、ユーザAが最後に実行したnextvalと同じ値、つまり1が返ります。
選択肢DのユーザDはユーザCと同時にnextval('testseq')を実行したことになっていますが、データベースの内部では完全に同時に実行されることはなく、順次、実行され、一方は2、他方は3が返ります。選択肢にある通りユーザDには3が返ったとして、ユーザCには2が返っていますから、その後のcurrvalも2が返ります。
選択肢Eのsetvalはシーケンスの現在値を変更し、その次のnextvalはその値に更に1を加えます。従ってnextvalは11を返します。

従って正解はA、D、Eです。

今回の解説について、理解できないポイントがあればどんどん質問をお寄せ下さい。
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