今回は、Silverの「運用管理 - バックアップ方法」からの出題です。
PostgreSQL 9.0 の環境で pg_dump コマンドでバックアップを取得し、これを PostgreSQL 9.1 の環境でリストアした。
PostgreSQL 8.4 の環境で pg_dumpall コマンドでバックアップを取得し、これを PostgreSQL 9.0 の環境でリストアした。
pg_dumpall コマンドでデータベースクラスタ全体のバックアップを取得するために、データベースのサーバプロセスを停止させた。
ディレクトリコピー(データベースクラスタのディレクトリを tar コマンドなどでコピー)によって、PostgreSQL 9.0 の環境のバックアップを取得し、これを PostgreSQL 9.1 の環境でリストアした。
ポイントインタイムリカバリ(PITR)の機能を使って取得した PostgreSQL 8.4 のベースバックアップとアーカイブログを PostgreSQL 9.0 の環境でリカバリした。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2012年10月31日
pg_dump と pg_dumpall は PostgreSQL の論理的なバックアップを取得するコマンドです。
バックアップの実体は、CREATE TABLE や GRANT などのデータベースを構成するための SQL 文と、COPY あるいは INSERT などデータを再現するための SQL 文から構成されています。
従って、アップグレードなど、PostgreSQL のメジャーバージョンが異なるシステムの間でも利用することができます。
デフォルトでは、データ部分のバックアップは COPY 文(PostgreSQL の独自拡張)になりますが、pg_dump を --inserts オプションで実行すると、INSERT 文を使ってデータのバックアップを作るので、PostgreSQL 以外のデータベースにデータをリストアすることも可能です。
pg_dump はデータベースクラスタ内の特定のデータベース、pg_dumpall はデータベースクラスタ全体のバックアップを取得しますが、いずれもデータベースのサーバプロセスを動作させたままで実行します。
データベースの物理的なバックアップは、サーバプロセスを停止した上で、データベースクラスタのディレクトリをtarなどのOSコマンドを使ってコピーすることで行います。
データベースクラスタの構造は PostgreSQL のメジャーバージョンによって異なりますので、9.0 と 9.1 のようにメジャーバージョンが異なる場合はこの方法によるバックアップ・リストアは行えません。
PITR もディレクトリコピーと同じく、メジャーバージョンが異なる場合には利用できません。
従って、正解はAとBです。
今回の解説について、理解できないポイントがあればどんどん質問をお寄せ下さい。
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