今回は、Silverの「開発/SQL - SQLコマンド - スキーマ」からの出題です。
スキーマは階層化できるので、
SELECT * FROM schemax.subschema1.subschema2.tablename;
のように深いスキーマのテーブルからSELECTすることもあり得る。
SELECT * FROM tablename; のようにスキーマ名を指定せずにテーブル名を指定すると、publicスキーマを指定したものと見なされる。
SELECT * FROM tablename; のようにスキーマ名を指定せずにテーブル名を指定すると、ユーザ名と同じ名前のスキーマを指定したものと見なされる。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2013年2月20日
スキーマ機能はRDBMSの種類によって実装にかなり違いがあることもあって説明が難しいのですが、階層化できないディレクトリ、として理解するのが一つの方法でしょう。
ファイルシステムにおいて、すべてのファイルがどれかのディレクトリに所属するのと同じように、データベースにおいては、テーブルを含め、すべてのオブジェクトはいずれかのスキーマに所属します。ディレクトリが別であれば同じ名前のファイルが作れるのと同様に、スキーマが別であれば同じ名前のテーブルを作ることが可能です。
ディレクトリと違ってスキーマは階層化できません。従って選択肢BのSELECT文のような形式でテーブル名を指定することはできません。
SQL文のオブジェクト名の指定でスキーマ名を省略した場合、PostgreSQLではスキーマ検索パスを使ってどのスキーマのオブジェクトを使うかを特定します。スキーマ検索パスの設定は変更することができますが、デフォルトでは "$user",public という設定になっており、ユーザ名と同じスキーマ、publicスキーマ、という優先順位でオブジェクトを検索します。例えば userx というユーザが SELECT * FROM tablename; を実行した場合、まず userx というスキーマに tablename というテーブルがあるかどうかを調べ、あればそこから SELECT を実行します。なければ public というスキーマに tablename というテーブルがあるかどうかを調べ、あればそこから SELECT を実行します。つまり、どのスキーマを参照するかは、スキーマ検索パスの設定と、それぞれのスキーマの状態の両方に依存します。
新しいスキーマは CREATE SCHEMA 文で作成しますが、ALTER SCHEMA でスキーマの名前や所有者を変更することができます。なお、デフォルトでは、スキーマの所有者だけが、スキーマ内にオブジェクトを作ったり、スキーマ内のオブジェクトを参照したりできます。他のユーザがスキーマにアクセスできるようにするためには、GRANT文で適切に権限を付与する必要があります。
というわけで、正解はAとEです。
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