今回は、Silverの「開発/SQL - SQLコマンド(スキーマ)」からの出題です。
あるスキーマにテーブルを新規に作成するには、そのスキーマに対するCREATE権限が必要である。
スキーマを新規に作成するには、データベースに対するCREATE権限が必要である。
スキーマの所有者はそのスキーマと同じ名前のユーザである。
スキーマの下にスキーマを作成することで、最大32階層までのスキーマを作成できる。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2015年12月8日
スキーマの概念は説明が簡単ではないのですが、階層のないディレクトリ、として理解するのが一つの方法でしょう。データベース内には1つ以上のスキーマがあり、テーブルなどのオブジェクトはどれか1つのスキーマに所属します。スキーマは階層化できず、スキーマの下にスキーマを作ることはできません。
SQL文でテーブルなどのオブジェクト名を指定する時、schema_name.table_nameのように、スキーマ名とオブジェクト名をドットでつなげて記述するのが正式ですが、スキーマ名の部分は省略することができます。省略した場合、PostgreSQLではスキーマ検索パスに従ってオブジェクトを検索しますが、デフォルトでは、ユーザ名と同じスキーマが最優先、その次にpublicというスキーマを使用します。
スキーマ検索パスにユーザ名が使われるように、スキーマ名とユーザ名には緩いつながりがありますが、実装上はこれらは独立していて、スキーマはユーザ名と無関係に作成できます。スキーマと同じ名前のユーザがいたとして、そのユーザが所有者であるとは限りません(混乱を招かないためにも、揃える方が望ましいでしょうけれど)。
新規のスキーマはCREATE SCHEMA文で作成します。このとき、データベースに対するCREATE権限が必要となります。この権限はデフォルトでpublicに対してGRANTされているため、意識することは少ないかもしれません。
スキーマ内に新規のオブジェクトを作成するには、そのスキーマに対するCREATE権限が必要です。defaultスキーマではpublicに対してCREATEがGRANTされているので、データベースの作成直後から誰でもオブジェクトを作成できますが、新規にスキーマを作成して、所有者以外のユーザがそのスキーマにオブジェクトを作成する場合は、CREATEを明示的にGRANTする必要があります。
従って、正解はBとCです。
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