今回は、Silverの「開発/SQL - SQLコマンド(ビュー)」からの出題です。
元となるSELECT文のFROM句に複数のテーブルが記述されているビューは更新できない。
元となるSELECT文のFROM句に記述されているテーブルに主キーが定義されていない場合、そのビューは更新できない。
元となるSELECT文がSUMなどの集約関数を使っているビューは更新できない。
元となるSELECT文が複数のSELECT文のUNIONになっているビューは更新できない。
ビューにINSERTできた行が、SELECTで参照できるとは限らない。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2016年4月6日
古いバージョンのPostgreSQLでは、ビューを更新するにはルールを定義する必要がありましたが、PostgreSQL 9.3で更新可能ビューがサポートされ、単純な構造のビューはルールを定義しなくても更新できるようになりました。
ビューが更新可能であるためには、その元となるSELECT文にいくつか条件があります。UPDATEやDELETEのためには、その対象がどのテーブルのどの行なのかが特定できなければなりませんし、INSERTの場合も、どのテーブルに挿入すべきかを特定できる必要があります。その逆を考えれば、どのようなビューが更新可能か、あるいは不可能か、比較的容易に推定できるでしょう。
例えば、SELECT文のFROM句に複数のテーブルが記述されていたり、複数のSELECT文がUNIONされていると、どのテーブルを更新対象にすれば良いのかわからなくなります。集約関数を使っていたら、どの行を対象にすればよいのか決められなくなります。
主キーの有無は、SELECTされた行がテーブル内のどの行かを特定するための障害とはならないので、更新可能であるための必須条件ではありません。 なお、ビューへのINSERTやUPDATEでは、元のSELECT文のWHERE条件に反するデータを作成することが可能です。
例えば、
CREATE test_view AS SELECT * FROM test_table WHERE gid=1;
というビュー定義があったとして、
SELECT * FROM test_view;
はgidの値が1のデータしか返しませんが、INSERTやUPDATEではgidの値を1以外にすることが可能です。この場合、INSERTには成功しても、その行はビューからのSELECTでは見ることができません。
間違っているものを選ぶ問題なので、正解はBです。
今回の解説について、理解できないポイントがあればどんどん質問をお寄せ下さい。
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