今回は、Silverの「開発/SQL - トランザクションの概念(トランザクション分離レベル)」からの出題です。
Read Uncommittedでは、他のトランザクションが更新した後、まだcommitしていないデータを読めてしまう。
Read Committedでは、トランザクション内で同じSELECT文を2回続けて実行しても、異なる結果が返されることがある。
Repeatable Readでは、トランザクション内で同じSELECT文を2回続けて実行したら、必ず同じ結果が返される。
Serializableは読み取りトランザクション専用の分離レベルである。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2017年4月3日
標準SQLでは、制約の弱いものから順にRead Uncommitted、Read Committed、Repeatable Read、Serializableの4つのレベルのトランザクション分離レベルを定めています。
PostgreSQLでは、このいずれの分離レベルでも宣言できますが、Read Uncommittedと宣言してもRead Committedの動作になります(指定より強い分離レベルで動作することは、標準SQLで許容されています)。
一般に、Read Uncommittedでは、他のトランザクションが更新した後、まだcommitされていないデータが読めてしまいます(ダーティーリード)が、PostgreSQLではRead Committedとして動作するので、ダーティーリードは発生しません。
Read Committedでは、トランザクション内の各SQLは、それを実行する時点でcommitされているデータを参照します。従って、同じSELECTを2回続けて実行しても、その間に他のトランザクションがデータ更新をcommitした場合、異なる結果が得られます。
Repeatable Readでは、トランザクション開始時のスナップショットに基づいてSQLが実行されるため、同じSELECT文を2回続けて実行すると、必ず同じ結果になります。標準SQLトランザクション分離レベルのRepeatable Readでは、ファントムリードの可能性がありますが、PostgreSQLのRepeatable Readはファントムリードが起こらない実装になっています。
Serializableは最も強い分離レベルで、読み取り専用のトランザクションで使用すると他のトランザクションを同時に実行していてもその影響を受けないという利点がある一方、更新トランザクションで使用すると他のトランザクションとの競合により思わぬエラーによるロールバックが発生し、トランザクションを再実行しなければならないことがあるので、注意が必要です。しかし、目的に応じて更新トランザクションでもSerializableを使用することは可能なので、適切に分離レベルを選択してください。
従って、正解はBとCです。
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