今回は、Silverの「開発/SQL - トランザクションの概念(トランザクションの構文)」からの出題です。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2020年12月23日
1つのトランザクションはBEGIN(またはSTART TRANSACTION)で始まり、COMMITまたはROLLBACKで終了します。COMMITを実行すればトランザクション内の更新がすべてデータベースに書き込まれますが、ROLLBACKを実行するとトランザクション内の更新がすべて取り消されてトランザクション開始前の状態に戻ります。
トランザクションにはSAVEPOINTという一時保存のような機能があります。セーブポイント名としてラベルをつけておき、ロールバック時にそのラベルを指定すると、SAVEPOINTを実行した時点の状態にまで戻ることができます。ただし、あくまでも一時保存の状態なので、その後でCOMMITを実行しなければデータベースには書き込まれず、ROLLBACKすれば元に戻ります。
例題の一連のSQLですが、全部で3つのトランザクションを実行しています。
最初のトランザクションはidが1の行を挿入してCOMMITしています。
2つ目のトランザクションは、idが2の行を挿入してSAVEPOINTを発行、idが3の行を挿入した後、SAVEPOINTのところまでROLLBACKしているので、3の行の挿入は取り消されます。その後でidが4の行を挿入してCOMMITしているので、結局2と4の行が挿入されます。
3つ目のトランザクションはidが5の行を挿入してSAVEPOINTを発行、idが6の行を挿入した後、ROLLBACKしていますが、ここではセーブポイント名を指定していないので、トランザクション全体が取り消されて終了します。つまり5の行も6の行も挿入されません。
ROLLBACKの後でCOMMITを発行していますが、ここはトランザクションの外側なので何も起きません。エラーにはなりませんが、警告メッセージが発行されます。
最後のSELECT文はid列の値を合計したものを求めています。上記で見たとおり、idが1、2、4の行が挿入されていますから、sum(id)は7となります。
したがって正解は7です。
今回の解説について、理解できないポイントがあればどんどん質問をお寄せ下さい。
採用になった方にはLPI-Japanオリジナルの記念品を贈呈します。
※試験問題に関わるお問い合わせにつきましては、LPI-Japan事務局ではお応えできませんのでご了解ください。
© EDUCO All Rights Reserved.