今回は、Silverの「開発/SQL - トランザクションの概念(デッドロック)」からの出題です。
ロックを獲得したら、なるべく長時間それを保持する。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2021年2月25日
デッドロックはデータベース以外のソフトウェアでも使われる用語ですが、一般に2つのプロセスが互いの終了を待ち、どちらも先に進めない状態に陥ることを指します。例えば、トランザクションAがテーブルXのロックを取得、トランザクションBがテーブルYのロックを取得した状態で、トランザクションAがテーブルYをロックしようとしたとします。YはBがロックしているのでロックを取得できず、解放待ちの状態になります。ここでさらにBがテーブルXをロックしようとしたら、XはAがロックしているのでロックを取得できず、こちらも解放待ちの状態になります。つまり、AはBの終了を待ち、BはAの終了を待つことになるため、どちらも先に進めなくなります。
PostgreSQLにはデッドロックを自動的に検出し、一方のトランザクションを強制的に終了させることでそれを解決する機能がありますが、1つのトランザクションは失敗に終わりますし、デッドロックを起こさないのに越したことはありませんので、どうすればデッドロックを避けられるかは理解しておく必要があります。
話を単純化すると、ロックの競合が発生しなければデッドロックが発生しなくなるわけですから、不要なロックは取得しない、取得したロックはなるべく短時間で解放する、そのためにも個々のトランザクションがなるべく短時間で終了するようにする、同時に多数のトランザクションを実行しない、というのがデッドロックを避ける基本的な戦略となるでしょう。
また、上記のデッドロックの例では、トランザクションAはX→Yの順、トランザクションBはY→Xの順でロックを取得しようとしましたが、トランザクションBもXのロックを先に取得しようとしていれば、Xのロックを取得できなかった方は他方の終了を待つことになりますが、テーブルYのロックは必ず成功するので、デッドロックにはなりません。このようにロックを取得する順序をトランザクション間で合わせるのは、デッドロックを避けるための重要なテクニックです。
従って正解はA、D、Eです。
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