PREPARATION
受験対策

Silverの例題解説
「S2.1 インストール方法(データベースクラスタの概念と構造)」

今回は、Silverの「S2 運用管理 - S2.1 インストール方法(データベースクラスタの概念と構造)」からの出題です。

例題

2.113

PostgreSQLのデータベースクラスタについての説明として適切なものを3つ選びなさい。

  1. インストール直後はテンプレートデータベースが2つと通常のデータベース1つが含まれる。
  2. データベースクラスタ内に複数のデータベースを構築してミラーリングすることで、高可用性を実現できる。
  3. データベースの文字セットはデータベースごとに異なるものを設定することができるので、データベースクラスタ内のあるデータベースはUTF8、別のデータベースはEUC_JPなどとすることが可能である。

  4. データベースユーザの情報はデータベースクラスタ内に構築される各データベース内に保持されるので、特定のデータベースにアクセスするには、それぞれのデータベースに対してCREATE USERなどの操作をしてユーザを作成する必要がある。

  5. データベースのバックアップ用のpg_dumpコマンドでは、データベースクラスタ内の共通データがバックアップできないので、その部分のバックアップについてはpg_dumpallコマンドを使う必要がある。

※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2021年5月19日

解答と解説

PostgreSQLでは1つのサーバプロセス群で複数のデータベースの集合(データベースクラスタ)を管理しています。インストール直後の状態では、template0、template1という2つのテンプレートデータベースと、postgresという通常のデータベースが含まれています。

クラスタというと、独立した複数の実体の間でミラーリングなどをする状態を思い浮かべる人もいると思いますが、PostgreSQLのデータベースクラスタはデータベースの集合というだけのもので、個々のデータベースの間でミラーリングなどする機能はありません。高可用性のためには、レプリケーションなどの手法を使って、データベースクラスタ全体を複製します。

文字セットは、データベースごとに別のものを設定できます。initdbコマンドでデータベースクラスタを新規作成するときは、template1に使用する文字セットを指定し、これをコピーして作成されるpostgresも同じ文字セットになります。以後、createdbコマンドなどでデータベースを追加する際、デフォルトではtemplate1と同じ文字セットになりますが、テンプレートデータベースとしてtemplate0を指定すれば、任意の文字セットが設定できます。

ユーザ情報はデータベースクラスタのグローバル領域に作成され、クラスタ内の各データベースに共通です。各ユーザに接続を許すかどうか、許したとして個々のオブジェクトへの操作を許すかどうかなどは、各データベースで設定できますが、CREATE USERはデータベースクラスタについてのユーザ作成であって、各データベースでの操作ではありません。

データベースユーザの情報は各データベースには含まれないため、pg_dumpコマンドではバックアップできません。pg_dumpallコマンドは、クラスタ内の全データベースをバックアップするコマンドですが、-g オプションを指定することで、クラスタ内のグローバル領域に含まれる情報のみ(具体的にはロールとテーブルスペースの情報)をバックアップすることができます。

従って正解はA、C、Eです。

例題解説についてのご質問やご意見は以下からご連絡ください。

※本例題および解説は、例題作成者から提供されたものです。実際の試験問題とは異なります。
※実際の試験問題に関するお問い合わせについてはご回答いたしかねます。あからじめご了承ください。

企業の基幹システムや業務システム、AIなどの
新領域での「PostgreSQL」の採用が拡大している中、
昇格・昇給・就職・転職に必ず役立つ認定です

OSS-DBの受験対策

受験の学習をサポートする情報や対策に役立つ情報をご紹介

例題解説

例題のアーカイブを試験ごとにまとめています。OSS-DB技術者認定試験の学習にお役立てください

学習教材・教育機関ご紹介

OSS-DB認定教材や教育機関について詳しくご説明いたします。

無料技術解説セミナー

受験準備をされていらっしゃる方々を対象に、無料技術解説セミナーの日程をお知らせしています。

OSS-DB道場

受験準備をされていらっしゃる方々を対象に、無料技術解説セミナーの日程をお知らせしています。