今回は、Silverの「S2 運用管理 - S2.1 インストール方法(データベースクラスタの概念と構造)」からの出題です。
データベースの文字セットはデータベースごとに異なるものを設定することができるので、データベースクラスタ内のあるデータベースはUTF8、別のデータベースはEUC_JPなどとすることが可能である。
データベースユーザの情報はデータベースクラスタ内に構築される各データベース内に保持されるので、特定のデータベースにアクセスするには、それぞれのデータベースに対してCREATE USERなどの操作をしてユーザを作成する必要がある。
データベースのバックアップ用のpg_dumpコマンドでは、データベースクラスタ内の共通データがバックアップできないので、その部分のバックアップについてはpg_dumpallコマンドを使う必要がある。
※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。
例題公開日:2021年5月19日
PostgreSQLでは1つのサーバプロセス群で複数のデータベースの集合(データベースクラスタ)を管理しています。インストール直後の状態では、template0、template1という2つのテンプレートデータベースと、postgresという通常のデータベースが含まれています。
クラスタというと、独立した複数の実体の間でミラーリングなどをする状態を思い浮かべる人もいると思いますが、PostgreSQLのデータベースクラスタはデータベースの集合というだけのもので、個々のデータベースの間でミラーリングなどする機能はありません。高可用性のためには、レプリケーションなどの手法を使って、データベースクラスタ全体を複製します。
文字セットは、データベースごとに別のものを設定できます。initdbコマンドでデータベースクラスタを新規作成するときは、template1に使用する文字セットを指定し、これをコピーして作成されるpostgresも同じ文字セットになります。以後、createdbコマンドなどでデータベースを追加する際、デフォルトではtemplate1と同じ文字セットになりますが、テンプレートデータベースとしてtemplate0を指定すれば、任意の文字セットが設定できます。
ユーザ情報はデータベースクラスタのグローバル領域に作成され、クラスタ内の各データベースに共通です。各ユーザに接続を許すかどうか、許したとして個々のオブジェクトへの操作を許すかどうかなどは、各データベースで設定できますが、CREATE USERはデータベースクラスタについてのユーザ作成であって、各データベースでの操作ではありません。
データベースユーザの情報は各データベースには含まれないため、pg_dumpコマンドではバックアップできません。pg_dumpallコマンドは、クラスタ内の全データベースをバックアップするコマンドですが、-g オプションを指定することで、クラスタ内のグローバル領域に含まれる情報のみ(具体的にはロールとテーブルスペースの情報)をバックアップすることができます。
従って正解はA、C、Eです。
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