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Goldの例題解説「障害復旧 - ホット・スタンバイ復旧」

今回は、Goldの「障害復旧 - ホット・スタンバイ復旧」からの出題です。

例題

4.05

2台のサーバでレプリケーションを行い、スタンバイサーバをホットスタンバイとして稼動させる。
サーバ間の通信が一時的に遮断し、その後に復旧した場合の説明として、適切ではないものを2つ選びなさい。

  1. レプリケーションの方式が同期か非同期かにかかわらず、通信が遮断中でも、マスタサーバでの参照系クエリは実行可能である

  2. レプリケーションの方式が同期か非同期かにかかわらず、通信が遮断中でも、スタンバイサーバでの参照系クエリは実行可能である

  3. 同期レプリケーションの場合は、通信が遮断中は、マスタサーバでの更新系クエリは待機させられる

  4. 通信復旧後のデータの再同期処理には、アーカイブWALが必須となる

  5. 通信復旧後のデータの再同期処理に、アーカイブWALが利用される際は、マスタサーバのGUCパラメータrestore_commandが実行され、スタンバイサーバにアーカイブWALが転送される

※この例題は実際のOSS-DB技術者認定試験とは異なります。

解答と解説

【A,Bついて】
レプリケーションの方式が同期か非同期かにかかわらず、通信が遮断中でも、マスタおよびスタンバイサーバのいずれでも、参照系クエリは実行可能です。
よって、A,Bは適切な内容です。

【Cについて】
同期レプリケーションの場合は、更新系クエリの内容がスタンバイサーバに反映されるまで待機させられることになります。
よって、Cは適切な内容です。
非同期レプリケーションの場合は、更新系のクエリであっても待機せずにマスタサーバで実行可能となります。
ただし、マスタサーバで行われる更新はスタンバイサーバに全く反映されない状態であるため、スタンバイサーバで参照できるデータはマスタサーバと乖離していくことになります。
詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください。
https://www.postgresql.jp/document/10/html/warm-standby.html#SYNCHRONOUS-REPLICATION

【Dについて】
通信が遮断してから大量の更新がマスタサーバ側で行われ、その後に通信が復旧した場合、再同期処理に必要なWALが既にアーカイブ化されている可能性があります。このような場合は再同期処理にアーカイブWALが必要となりますが、更新量が少なく、アーカイブ化されていないWALのみで再同期処理が完了する場合は、必ずしもアーカイブWALは必須とはなりません。
よって、Dは適切な内容ではありません。

【Eについて】
再同期処理にアーカイブWALが必要となる場合は、スタンバイサーバのrecovery.confに記載されているrestore_commandが実行されます。
よって、Eは適切な内容ではありません。

正解は D と E です。

今回の解説について、理解できないポイントがあればどんどん質問をお寄せ下さい。

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